第三軌条集電靴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 22:42 UTC 版)
ウィキメディア・コモンズには、集電靴に関連するメディアがあります。 第三軌条方式では、台車の外側に取り付けられた集電装置(集電靴(しゅうでんか)英: contact shoe。日本語では「コレクターシュー」と称する)によって第三軌条から集電する方法が一般的である。架線と異なり柔軟性がないため、高速運転には不向きである(日本での第三軌条区間最高速路線は近鉄けいはんな線の95km/h)。イギリスのユーロスター走行区間では160km/h運転を行っているが、フランス国内の区間との速度差が大きいこともあり、架空線方式の高速新線 (CTRL) に順次切り替えられている。 日本では主に地下鉄事業者に採用され、それ以外の事業者では北大阪急行電鉄と近鉄けいはんな線のみ地上区間での採用となっている。これらの路線は、Osaka Metro御堂筋線や中央線に相互直通運転するため第三軌条方式を採用している。かつては信越本線の横川 - 軽井沢間の碓氷峠のアプト区間でも一時期採用されていた(なお、同区間は日本で最初の幹線電化区間である)。営業路線以外では、鹿児島県いちき串木野市にある金山跡を活用した観光施設「薩摩金山蔵」において、この方式を採用したかつての専用軌道が観光用として運行されている。 ロンドン地下鉄では、世界でも非常に珍しい「四軌条方式」(Four-rails system) を採用している。通常配置の第三軌条には直流+420 V、走行用レールの間に置かれた「第四軌条」(Fourth Rail) には直流-210 Vがそれぞれ印加されており、トータルで630 Vを得る仕組みとなっている。
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