競馬における空馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 14:44 UTC 版)
ゴール前を通過する空馬 コースを逆走する空馬 競馬や馬術競技における騎乗者は簡素な鞍や鐙にやや中腰の立ち乗りに近い状態で架かっているだけであるため、馬がバランスを崩した場合や体をのけぞらせたりした場合、いとも容易に落馬が発生する。そうして落馬が発生した競走馬は鞍上に人が乗っておらず、人による制御が行われない空馬となる。 競馬の競走中に空馬となった場合は、馬はその場に停止したり馬群と離れて逸走したりそのまま走ったりと様々な状態となる。 カラ馬がそのまま無人で走り続けた場合、競走馬は落馬した地点で競走中止の扱いとなり、仮にそのまま先頭でゴール入線しても1着にはならず、賞金の支払いや勝馬投票券(馬券)の払い戻しなどは一切行われない。ただし2016年までは落馬した地点で再騎乗するか、騎乗後に落馬した地点まで引き返せば競走続行が可能であったが、2017年以降はこれが認められなくなったため、この場合でも競走中止となるようになった。 カラ馬は騎手が制御している状態ではないため、カラ馬が他馬の妨害を行っても騎乗停止などの制裁の対象とはならず、一方で妨害された競走馬にも救済措置などは行われない。特にカラ馬は鞍上の制御を失ったことで予想外の動きをしかねないため、接触および多重落馬の恐れがあり大変な危険を伴うことから、カラ馬が発生した場合、他の騎手は極力カラ馬の影響を受けないよう細心の注意を払ってレースを行う。 一方で競走前(発馬機からのスタートが行われる前)にカラ馬が発生した場合は競走中止とはならず、再騎乗してレースに参加した場合は通常通り賞金や馬券の配当なども行われる。但しカラ馬がコース内外を放馬し結果として馬体の疲労が著しくなった場合は、馬体検査を行った後に競走除外となる場合がある。この場合は競走中止ではないため、そのレースの競走終了後(厳密にはレース成立確定後)にそのカラ馬が関わっている馬券がすべて返還となる。 また競走終了後にカラ馬が発生した場合も馬体検査等が行われないだけで、競走前のカラ馬と同様にその馬は競走中止の扱いとならず、馬券の対象となる順位で入線していた場合は通常通り配当金の払い戻しが行われる。 カラ馬は障害飛越時に落馬することが多い障害競走でしばしば見られるが、平地競走でも特にバランスを崩しやすいスタート前後に騎手が落馬することが多い。
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