空刷り
【英】:BLIND PRINTING
【別称】:エンボス エンボッシュ 空摺り
版画技法の一種。凸版、凹版にかかわらず、版面にインクをつけずプレスなどで圧力を加え、紙に凹凸を刷り出す方法。またはそのようにして刷ったもののことをいう。エンボッシュという、いわゆる空押しも空刷りと同義語。浮世絵版画では伝統的に空摺りと書き、ばれんで圧力を加えて衣服のひだや文様、波文や鳥の羽毛などを無色の凹線であらわす。画面をより精緻に表現する手法として、錦絵の草創期に鈴木春信によって盛んに用いられ、その後も摺物や絵本など小画面の彩色摺に用いられた。広義には色刷を終えた画面を凹版にあて、裏面から圧力を加えることで浮彫風に画面を盛り上げるいわゆる木目込(きめこみ)技法を含む。
空刷り
(空摺り から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/18 04:25 UTC 版)
空刷り、空摺り(からずり、英: blind printing)とは、版画技法の一種で、模様などを凹凸で浮き出るように表わし、彩色しない方法[1]、またはそのようにして刷ったもののことをいう。エンボスまたはエンボッシュと呼ばれる空押しも、空刷りと同義語である[2]。
浮世絵版画では伝統的に空摺りと書く。広義には色刷を終えた画面を凹版にあて、裏面から圧力を加えることで浮彫風に画面を盛り上げるいわゆる木目込(きめこみ)技法を含む[2]。
概要
浮世絵版画では、衣服のひだや紗綾形さやがたのような文様、波文や鳥の羽毛、障子の骨などを無色の凹線であらわす空摺りの技法が用いられる。
浮世絵は時代を経ることにその技法が高度化し、多色摺の版画が実現すると、何度摺もの摺圧に耐えられるように、用紙も従来の美濃紙などから厚手の奉書紙に変更された[3]。これにより、ばれんで圧力を加えて紙に凹凸をつける空摺りが可能となった。
画面をより精緻に表現する手法として、錦絵の草創期に鈴木春信によって盛んに用いられた[2][4]。それ以後、歌麿も団扇の骨やタバコの煙の表現などにこの技報を用い[4]、この技法は、摺物や絵本など小画面の彩色摺にも広がっていった。
脚注
- ^ “精選版 日本国語大辞典「空摺」の解説”. コトバンク. 2022年1月30日閲覧。
- ^ a b c “空刷り(美術用語詳細情報)”. 徳島県立近代美術館. 2022年1月30日閲覧。
- ^ “"浮世絵", 日本大百科全書(ニッポニカ)”. JapanKnowledge. 2022年1月30日閲覧。
- ^ a b 萩原『木版画 : 基本から創作まで「空摺り」』、95頁 。
参考文献
- 西嶋勝之『版画入門 : 基礎・実作・応用』文研出版〈文研リビングガイド〉、1976年 。
- 萩原英雄『木版画 : 基本から創作まで「空摺り」』主婦と生活社、1980年 。
- 川瀬一馬『日本書誌学用語辞典』雄松堂書店、1982年、23頁 。
- 飯島春敬「元永本古今集に就いて(7)」『書芸』第6巻第2号、書芸社、1936年4月。
- 至文堂(編)「装飾の様々」『日本の美術』第278号、ぎょうせい、1989年7月。
- 『潮干のつと』(あけら菅江 編]、喜多川歌麿 画)耕書堂蔦屋重三郎 。寛政初期。
関連項目
- 木目込、きめだし
空摺り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 03:43 UTC 版)
空摺りは、同じ画の版木を陽刻の凸状のものと、陰刻の凹状の二版に彫り分け、陰刻の版木の上に地紙を乗せて、上から陽刻の版木を重ねて圧をかけると、凸状の形が浮き出る技法で、今日のエンボスと同様な形押しの技である。浮いた凸面から彩色加工を施し、レリーフのような質感をもたらす。
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