絹篩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 03:43 UTC 版)
これらを基本に各種の顔料や金銀泥(きんぎでい)を加えて紋様が摺られるが、絵具を版木に移すときに絹篩という用具を用いる。絹篩は、杉などの薄板を円形状に丸めた木枠に、目の粗い絹布か寒冷紗(粗くて硬い極めて薄い綿布)を張ったもので、これに絵具を刷毛で塗り、版木に軽く押しつけて顔料を移す。顔料の乗った版木の上に地紙を乗せて、紙の裏を手のひらで柔らかくこする。その動作が平泳ぎのような手の動きに似ている事から、「泳ぎ摺り」ともいう。版画のように版木に直接絵具を刷毛塗りをせず、から紙は絹篩を通して絵具を移し、手の平でこするのは、顔料の着量の調節が目的で、ふっくらとした風合いのある仕上がりを得るためである。木版摺りには、この他に空摺り・利久紙(利休紙)摺り・月影摺り・蝋箋などの技法も使用されていた。
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