積みわら
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 17:03 UTC 版)
『積みわら』(つみわら、仏: Meules、英: Haystacks)は、印象派を代表するフランス人画家クロード・モネが描いた、収穫後の畑に積まれた干し草の山を描いた一連の絵画の総称。狭義にはフランス人画商で美術史家のダニエル・ウィルデンシュタインが作成した印象派絵画作品の目録である『ウィルデンシュタイン作品番号』に1266番から1290番として記載されている、1890年の夏から翌年の春にかけて描かれた25点の絵画群を指し、広義にはモネが同じテーマでその他の年代に描いた絵画を含めることもある。同じ主題を、異なる時間、季節、天候それぞれの光の下で描き分けた作品群としてよく知られ、フランスのジヴェルニーの当時モネが住んでいた家のすぐそばにあった畑をモデルに描かれた作品である。
- ^ “Country-by-Country List of Museums Holding Originals (Monet)”. artofmonet.com. 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Claude Monet French, 1840-1926 (Stacks of Wheat (Sunset, Snow Effect)”. シカゴ美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Claude Monet French, 1840-1926 (Stacks of Wheat (End of Day, Autumn)”. シカゴ美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Claude Monet French, 1840-1926 (Stack of Wheat (Snow Effect, Overcast Day)”. シカゴ美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Claude Monet French, 1840-1926 (Stack of Wheat)”. シカゴ美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Collection Search Results: Grainstack (Snow Effect)”. ボストン美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Collection Search Results: Grainstack (Sunset)”. ボストン美術館 (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Explore Art: Artists; Claude Monet; Wheatstacks, Snow Effect, Morning”. ゲティ・センター (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ a b “Highlights of the Collection (Paintings:Monet)”. ヒルステッド美術館. 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Collection M: Claude Monet”. 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Collections > Explore the Collection (Grainstack, Sun in the Mist)”. The Minneapolis Institute of Arts. 2011年2月16日閲覧。
- ^ “Collections: Impressionist Paintings (Image 02)”. シェルブーン・ミュージアム (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ 『芸術新潮』2018年6月号、新潮社、 87頁。
- ^ Tucker 1989, p.87.
- ^ House 1986, p.127.
- ^ Tucker 1989, p.33.
- ^ Tucker 1989, p.79.
- ^ grainstacks は脱穀後のいわゆる藁の山ではなく、まだ実がついた脱穀前の穀物の山を意味する
- ^ Gerdts 1993, p.17.
- ^ a b c Lemonedes 2006, p.143.
- ^ Kelder 1980, p.183.
- ^ このエピソードの正確性は疑問視されている。
- “「『積みわら』を描き始めたときには、他の風景を描いた作品と同様に、曇天用と晴天用の2枚で事足りると思っていた。積みわらを描いた作品は当時すでに何点か仕上げてもいた…ある日私は光の具合で積みわらの印象が異なって見えることに気がついた。そして義娘に「家へ戻ってもう一枚キャンバスを持ってきてくれないか」と頼んだんだ」
- こうしてモネは『積みわら』の連作を開始することとなった。モネが同じモチーフを異なる環境下で繰り返し描くことは以前からよくあった…まだ何か新しい表情がある、何か新しい変化があるのではないかと” Forge and Gordon 1989, p.158.
- “「『積みわら』を描き始めたときには、他の風景を描いた作品と同様に、曇天用と晴天用の2枚で事足りると思っていた。積みわらを描いた作品は当時すでに何点か仕上げてもいた…ある日私は光の具合で積みわらの印象が異なって見えることに気がついた。そして義娘に「家へ戻ってもう一枚キャンバスを持ってきてくれないか」と頼んだんだ」
- ^ a b Lemonedes 2006, p.139.
- ^ Tucker 1989, p.31.
- ^ 印象派を後援したフランス人画商ジョルジュ・プティの画廊に展示された。Tucker 1989, p.41.
- ^ 描いている風景の時制を常に正確にするために「モネは時々キャンバスの裏に時刻を書いた」 House 1986, p.143.
- ^ House 1986, p.143
- ^ モネは1893年3月の妻のアリスに宛てた手紙で、ルーアンで一日に14枚の作品を描いていると書いている。 House 1986, p.144.
- ^ 1883年にフランスの象徴主義詩人ジュール・ラフォルグは、印象派の絵画は15分間の自然の移り変わりを表現していると言ったことがある。モネは自身のポプラ並木の連作を例にして8分間が限界だと述べ、1918年には光の効果が続くのは「最大でも3分間から4分間のことすらある」と語った。 House 1986, p.142.
- ^ 常に変化する天候は、作品の完成を遅らせる最大の要因だった。 House 1986, p.204.
- ^ 『積みわら - 日没』では、強い色調で描かれたレンガ色が陰になる部分に劇的な効果を与え、朱色と黄色で描かれた日没の光が当たっている部分との対比をなしている。さらに明るく彩られた部分にはピンク、オレンジ、モーヴで表現された光の粒子がちりばめられている。 House 1986, p.128.
- ^ “Monet Haystacks”. Impressionist Art Gallery (2011年). 2011年2月16日閲覧。
- ^ Excerpts from Kandinsky's memoirs, page 53. CDlib.org 2011年2月16日閲覧
- ^ a b Tucker 1989, p.77.
- ^ 展示会開催前にデュラン=リュエルは展示する15点の『積みわら』のうち8点を購入している。さらにモネ自身が既に売却することが決まっていた絵が2点あった。つまり展示会開催時点で15点の作品のうち10点はすでに買い手が決まっていた。残りの5点のみが、展示会を訪れ作品に興味を示した顧客が購入することが出来たのである Tucker 1989, p.98.
- ^ House 1986, p.159.
- ^ 連作全体がジャポニスムの影響が大きいが、特にこの作品は歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の「鞠子宿」の構図やグラデーションを研究してる。
- ^ Forge and Gordon 1989, pp.156-163.
- ^ “今度はモネの絵が標的に、環境活動家がドイツの美術館を襲撃”. フォーブス (2022年10月24日). 2022年10月25日閲覧。
「積みわら」の例文・使い方・用例・文例
- 積みわらに火が燃えついた.
固有名詞の分類
- 積みわらのページへのリンク