移動の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 19:32 UTC 版)
地すべりが発生する場所には、地形・地質条件など幾つもの自然条件から規制を受ける素因と、すべり滑動発生の引き金となった何らかの誘因がある。この地すべり発生機構を把握することで、形態や範囲を特定したマスムーブメント(移動ブロック)として対策が可能となる。 地すべりの移動は、すべり面上に載っている地塊が滑動しようとする力が、すべり面の剪断強度を上回った場合に発生する。地すべりの移動には、地質的な条件に加え、地下水の分布状況が非常に密接に関わっていることが知られている。一般に、地すべりは雪解けの時期や梅雨時、台風による豪雨など、地下水の水位が大きく上昇する時期に多く発生する。土塊が地下水を多量に含んで重量が著しく増加すると共に、地下水の存在がすべり面の剪断強度を大きく低下させるためである。従って、年間の降水量(降雪も含む)が多い地域や、地すべりの発生しやすい地質条件の地域(特に、火山性の堆積物が多い地域や凝灰岩・泥岩などが多く産出する地域)では、地すべりの多発地帯として知られる場所が多い。本州の日本海側から東北地方、北海道東部などに多く存在するグリーンタフ地域や、雪解け時期の豪雪地帯において地すべりが多発することがよく知られている。
※この「移動の原因」の解説は、「地すべり」の解説の一部です。
「移動の原因」を含む「地すべり」の記事については、「地すべり」の概要を参照ください。
- 移動の原因のページへのリンク