磁場歪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 00:51 UTC 版)
船体磁気そのものではないが、軟質磁性体である鋼鉄で建造された水上艦や潜水艦は、地球が作る地磁気の流れを乱す。鉄が磁石を吸い付けるように鋼鉄の艦体が地磁気の磁力線を集めるために、何もない海では一様な磁力線の分布が、大きな鉄の塊である艦体を中心に乱れる。これを磁場歪と呼び、現代軍用艦艇では敵の磁気感応式機雷による触雷や、空中の航空機から海中の潜水艦を捜索する磁気探知機(Magnetic Anomaly Detector MAD)によって発見される恐れがある。 機雷を取り除く掃海艇の多くが鉄の船体を避けて、繊維強化プラスチック製や木造の船体を選択する理由は磁場歪である。旧ソビエト海軍の潜水艦ではチタン製の耐圧殻を持つものがあった。チタンの採用によって大深度潜行が可能になっただけでなく、船体磁気シグネチャを最小化できた。
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