磁場回路へのオームの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 23:22 UTC 版)
「磁気回路」の記事における「磁場回路へのオームの法則」の解説
電子回路において、オームの法則は要素に印加される起電力 E {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {E}}} と要素を通して発生する電流 I の間の経験的関係である。次のように書かれる。 E = I R {\displaystyle {\mathcal {E}}=IR} R はこの物質の電気抵抗である。磁気回路でもオームの法則に対応するものがある。この法則はジョン・ホプキンソンにちなみホプキンソンの法則といわれるが、実際にはそれより前の1873年にヘンリー・ローランドにより定式化された。これは以下のように書かれる。 F = Φ R {\displaystyle {\mathcal {F}}=\Phi {\mathcal {R}}} F {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {F}}} は磁気要素を横切る起磁力、 Φ {\displaystyle \scriptstyle \Phi } は磁気要素を通る磁束、 R {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {R}}} はこの要素の磁気抵抗である(この関係はH場と磁場 Bの間の経験的関係 B=μHによるものであることが後に示されるであろう。μは材料の透磁率である)。オームの法則と同様、ホプキンソンの法則はいくつかの材料に有効な経験式として、もしくはリラクタンスの定義として役に立つ可能性がある。 ホプキンソンの法則は、電力とエネルギーの流れをモデル化するという点でオームの法則の正しい類推ではない。特に、電気抵抗に損失があるのと同じように、リラクタンスに関連する損失があるわけではい。この点で電気抵抗の真の類似である磁気抵抗は、起磁力と磁束の変化率の比として定義される。ここでは磁束の変化率は電流に代わっており、オームの法則は次のようになる。 F = d Φ d t R m {\displaystyle {\mathcal {F}}={\frac {d\Phi }{dt}}R_{\mathrm {m} }} ここで R m {\displaystyle \scriptstyle R_{\mathrm {m} }} は磁気抵抗。この関係はジャイレータキャパシタモデルと呼ばれる電気と磁気の類推の一部であり、リラクタンスモデルの欠点を乗り越えるためのものである。ジャイレータキャパシタモデルは、複数のエネルギー領域にわたり系をモデル化するために使われる矛盾のない類推の幅広いグループの一部である。
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