磁場をかけた時の飛跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 14:22 UTC 版)
磁場のある状態の中を荷電粒子が通過すると、粒子はローレンツ力を受けて進む向きを曲げられる。この様子を霧箱で観測すると、粒子が進んだ道筋が曲線となって見える。この曲線の曲率半径をρ[m]、磁場をH[T]、粒子の運動量をp[MeV/c]とすると、 p = 300 H ρ {\displaystyle p=300H\rho \,\!} の関係がある。そのため、曲率半径を測定することで粒子の運動量が求められる。 また、曲がった向きによって粒子の電荷の正負が判別できる。ただし、通常の霧箱の写真では、放射線の進行方向が分からないため曲がった向きが判断できない。そこで、霧箱中に鉛の板を入れて観測する方法がとられることがある。粒子は鉛の板を通り抜けると運動量が減少する。上の式より、運動量が減少すると曲率半径が小さくなる、すなわち曲がりやすくなるため、鉛板の前後の飛跡の曲率を調べることで、放射線の進行方向が判別できる。
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