研究ごっこ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 04:15 UTC 版)
シャーロキアンの研究テーマは多岐にわたる。「事件関係者のプライバシーやスキャンダル性を考慮して、日付・地名・人物名を変更している」もしくは「ホームズが何らかの理由で事件の真相を伏せ、ワトスンに偽の真相を教えた」と考え、事件の真相を探り出そうとする研究が多い。これは通常の文学研究における登場人物のモデル探しとは異なり、空想と現実を意図的に混同した研究ごっこである。 おそらくはドイルのミスによって発生した矛盾(『唇のねじれた男』で、ワトスン夫人がなぜか夫を「ジェームス」と呼んだ事など、ちなみにドイルはあえて訂正しなかった)を合理的に解釈する試みも行われている。ここでは「いかに斬新な新解釈を打ち出すか」「いかに自説が正しいと巧みにこじつけるか」が求められる。まじめ一辺倒の研究は敬遠される傾向があり、発想の柔軟さと屁理屈とユーモアが求められる一種の知的パズルである。決して実際の文学研究と同一視してはならない。あくまでそのスタイルを借りて遊んでいるだけである。ただし、日本シャーロック・ホームズクラブでは、文学社会学など「大真面目な」研究が多い。 中にはそのような研究を潔しとせず、全てが書かれた通りに起きたとするシャーロキアンもいる。この一派はファンダメンタリストを自称する場合があるが、これには宗教的な意味は全くない。 このようなシャーロキアンの活発な研究成果によって、ホームズは架空の人物でありながら、伝記が何冊も出版される異例の地位を得ている。
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