目的と要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 18:06 UTC 版)
水中では、水深が深くなるにつれて生理的ストレスが大きくなり、常圧での潜水深度には絶対的な限界があるように思われる。大気圧潜水服は、一気圧程度の内圧を維持しながら一人乗りができる圧力容器を持つ小型潜水艇と同義であり、腕には手動で操作可能なマニピュレーターが取付られ、腕や脚部にも耐圧式の関節があるため、内圧を維持しながら関節を動かすことが可能である。 水中での移動は、一般的に中性浮力か中程度のマイナス浮力が必要となり、歩行と遊泳には細かく制御できるスラスターが必須となる。また、関節の可動域や形状、摩擦などの影響により、有用な作業を行うための器用さが制限されるため、これは、設計上における工学的課題の一つであった。マニピュレーターによる触覚は、関節やシールの摩擦により感度が大幅に低下するため、より細かい制御には大きな制約が発生する。また、オペレーターの視覚入力は、透明なのぞき窓を使用することで比較的容易に提供することができ、マニピュレータを使用した近接撮影は、スーツの関節の柔軟性と形状により制限される。このほか、音や温度の感覚が殆ど感じられず皮膚感覚も無い。通常、潜水中は周囲は無人であるため、通信装置などによって相互にコミュニケーションが図れる状態を確立する必要がある。
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