盛唐・中唐・晩唐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 16:24 UTC 版)
盛唐・中唐・晩唐(713年 - 907年、書人、筆跡、書論)盛唐(713年 - 765年) 中唐(766年 - 835年) 晩唐(836年 - 907年) 初唐の末期の書は、謹厳方正を主とし外見は非常に整ったものの表面的技巧に陥り堕落していった。盛唐の玄宗皇帝の治世は開元の治と称され、学問芸術を奨励したので唐朝の文化は最高潮に達した。この時、初唐の書風を革新し新生面を開いたのが顔真卿である。篆筆で楷書を書いて一世を驚かせた真卿は、王羲之と共に中国書道界の二大宗師とも謳われる人である。しかし、逆に書法の破壊者であるという正反対の評もあり、彼の書がいかに前代までとは異質の書であったかということがわかる。その他に、行書に李邕、篆書に李陽冰、草書に張旭・懐素の名筆が出た。晩唐の代表作家は、柳公権と裴休である。柳公権は顔真卿から起こり、裴休は欧陽詢から起こったので、共に楷書に優れている。 書風の発生と流行 書体は社会的・実用的な要求によって変遷し、書風は個人的・芸術的な衝動によって発生、流行するものだといえる。この時代から書法を師弟の間に順次伝承するということが重んじられ、張旭や顔真卿を書法の祖師として祭り上げる風潮が起こった。そして、以後、顔真卿の追従者が多くあらわれ、日本にも大きな影響を与えている。
※この「盛唐・中唐・晩唐」の解説は、「中国の書道史」の解説の一部です。
「盛唐・中唐・晩唐」を含む「中国の書道史」の記事については、「中国の書道史」の概要を参照ください。
- 盛唐・中唐・晩唐のページへのリンク