百詩篇第9巻44番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 07:15 UTC 版)
「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の記事における「百詩篇第9巻44番」の解説
Migrez, migrez de Geneve trestous, Saturne d'or en fer se changera, Le contre RAYPOZ exterminera tous, Avant l'a ruent le ciel signes fera.離れよ、皆ジュネーヴから離れよ。 黄金のサトゥルヌスは鉄に変わるだろう。 RAYPOZの反対が全てを滅ぼすだろう。 到来の前に、天が徴を示すだろう。 五島勉が3行目に「全てを滅ぼす」とあることを強調して何度も紹介したため、日本人の解釈者たちには近未来の破局と解釈するものが多く見られた。 歴史的な視点からは、カルヴァン派への警告とする解釈も提示されている。当時のジュネーヴはカルヴァン派の牙城であったからである。「RAYPOZの反対」は綴りをほぼ反対にした人名ゾピュラ (Zopyra) と見なされ、これを銘句に採り入れていたフェリペ2世と理解される。つまり、フェリペ2世によるジュネーヴ侵攻を警告したものと見なせるのである。ただし、そのような事件は実現しなかったので、ラメジャラーなどははっきりと外れた予言と位置付けている。 なお、四行目"l'a ruent"(意味不明)はノストラダムスの死後に出された少なからぬ版では "l'advent" となっており、現在そちらの読み方が通説化しているので、上の訳でもそちらを採用した。 ノストラダムスはこれ以外にもルター派やカルヴァン派への非難、あるいは彼らの崩壊への願望などを詩に織り込んでいる。「レマン湖からの説教が不快にさせるだろう」(第1巻47番)、「ジュネーヴの人々は飢えと渇きで干上がるだろう」(第2巻64番)、「ローザンヌからひどい悪臭が発するだろう」(第8巻10番)などである。
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