白木静子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 13:49 UTC 版)
「片岡千恵蔵の金田一耕助シリーズ」の記事における「白木静子」の解説
このシリーズには、全作品に金田一耕助の女性助手・白木静子が登場する。原作では1作品限りの登場人物であったが、これに新たな属性を追加してオリジナルなキャラクタに変えたものである。 元々は『三本指の男』の原作である『本陣殺人事件』において被害者・久保克子の友人として登場し、事件の報道に接して現地へ駆けつけ、有力容疑者とされた人物について重要な証言を提供する役割を担っている。この際、現地へ向かう途上で金田一と同じ列車に乗り合わせ、その挙動に金田一が興味を示す描写がある。このシリーズでも久保春子(原作の克子)の友人という設定は同一であるが、同じ列車に乗り合わせる設定を事件発生前に久保銀造宅へ向かう途上に変更し、金田一が静子と同じ目的地を目指していたのを尾行しているものと誤解して助けを求める展開としている。そして、久保宅に逗留している間に静子の明晰さを認めた金田一が事件発生後に助手として活動させ、その関係が事件解決後にも続くことを暗示する結末としている。 その後の作品では、原作に白木静子は登場しないが、映画では事件以前から金田一の助手として勤務している設定で登場する。『悪魔の手毬唄』のように中盤を過ぎてから登場して調査結果を報告する程度の軽い役割しか与えられていない事例もあるが、『獄門島』では偽電報に騙されてではあるが現場へ駆けつけて逮捕留置された金田一を解放する役割を果たし、『犬神家の謎 悪魔は踊る』では冒頭で金田一が死体を発見する場面に随行している。 なお、喜多川千鶴が2作品で演じているのを除いて、全て異なる俳優が白木静子を演じている。 白木静子の人物造形をこのように原作から変えたのは、これからの民主主義時代の自立した女性像を象徴する意図であったという指摘がある。
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