発音に関する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 21:25 UTC 版)
「臺與」を「とよ」と読むのが通説となっているが、これには議論がある。 「臺」の文字は中国の時代ごとにより、また地方ごとにより異なる。昔は[də]と表現していた時もあった。「ト」「ド」の音韻の音節があるとすればこれに該当する。但し一般には「ダ」が主流であり、隋の時代に「ダイ」に変化し、それがそのまま今の日本の発音になり、中国ではその後に「タイ」と変化していった。 「台」であれば、「と」と読めるということに異論は無いようである。しかし、「臺」と「台」は異なる文字である。 「臺」を「と」と読む根拠は、例えば藤堂明保『国語音韻論』に、「魏志倭人伝で、『ヤマト』を『邪馬臺』と書いてあるのは有名な事実である」と記載されていることに求められているが、これはすなわち「邪馬臺=ヤマト」という当時の通説に基づいた記述に過ぎないとする指摘がある。もしこの意見が妥当なら、漢和辞典の記載を根拠に「『邪馬臺』はヤマトと読める、『臺與』はトヨと読める」と言ったところで、大元にある通説の同義反復に過ぎないことになるが、「臺」の発音に関する中国語音韻論による議論はこの意見とは無関係である。また、そもそも「魏志倭人伝」には「邪馬臺」とは書かれておらず、「邪馬壹」(=邪馬壱)と書かれており、前提からして誤っている。 邪馬臺(邪馬台)の発音をヤマドとする説がある。 魏志の編纂が後者二書に比べ大きく先行している。三書はいずれも『魏略』を元にしていると考えられる。『魏略』には他の書に引用された逸文が残っているが、そこには該当部分は存在しないため正確にはどう書いてあったのか不明である。
※この「発音に関する議論」の解説は、「台与」の解説の一部です。
「発音に関する議論」を含む「台与」の記事については、「台与」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から発音に関する議論を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 発音に関する議論のページへのリンク