発音の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 03:10 UTC 版)
現在の五十音図で、あ行・や行・わ行のえ段にはいずれも「え」が置かれているが、古くは「e」「ye」「we」が区別されており、万葉仮名や初期の平仮名・片仮名では区別されていた。また「あめつちの歌」に「え」が2回登場するのも「e」と「ye」を区別していた可能性がある。 10世紀中頃に「e」と「ye」の区別が消滅し、ともに「ye」になった。また、10世紀末には語中の「へ」がわ行の「ゑ」に変化した(ハ行転呼音)。11世紀以降「え」と「ゑ」の区別も失われていき、13世紀以降に完全に区別がなくなった。 区別のなくなった「え」は、古くは「ye」と発音されていた。江戸時代以降に「ye」から「e」に変化したが、規範的には「ye」が正しいとする考えは相当遅くまで残ったようであり、19世紀の行智『悉曇字記真釈』(1815年)や中野柳圃遺教・大槻玄幹記『西音発微』(1826年)でもまだ「ye」としている。
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