発症メカニズムと現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:07 UTC 版)
「逆流性食道炎」の記事における「発症メカニズムと現状」の解説
胃と食道との接合部には、食道内に胃内容物が逆流することのないよう、下部食道括約筋(LES)などの流防止機構がある。しかし、加齢による下部食道括約筋の働きの低下と食道自体のぜん動運動と唾液の減少、食道裂孔ヘルニアによる逆流防止機構の破壊、一過性LES弛緩、腹圧の上昇による胃内圧の上昇などの要因により、胃食道逆流をきたしやすくなる。 食事・生活様式は胃食道逆流症と深く関わっており、炎症を悪化させる食べ物に高脂肪食をはじめ、アルコール、コーヒー、炭酸飲料、柑橘系ジュース、玉ねぎ、チョコレート、餅、あん、饅頭、香辛料などが挙げられる。脂肪分の多い食べ物は消化に負担がかかることから、コレシストキニンという脂肪の消化に関わるホルモン物質が大量に分泌され、下部食道括約筋を弛緩させ胃液を逆流しやすくする。予防や治療的観点からはこれらの食べ物を避けることも重要である。喫煙もLES圧を低下させ、胃食道逆流症の増悪因子となる。前屈位などの体位や、食後すぐに横になることなどは腹圧の上昇を招き、逆流の原因、増悪因子となる。反対に就寝時の上半身挙上は、胃酸逆流を抑制させるため有効な治療法ともなる。
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