画像の整列と分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/25 06:17 UTC 版)
生物試料、特に氷包埋された試料などは、無機金属や半導体などと比べると、電子線ダメージに非常に弱くすぐに変形してしまう。電子線をなるべく試料に当てない低照射条件で撮影すると、よほど高価な検出器を買わない限り、低倍率でしか十分な明るさが得られず、目的とする物質の信号強度(像コントラスト)がアモルファス氷などのノイズに対して小さい(S/N比が小さい)。目的とする物質のS/N比を上げるため、いくつか似たような画像を集めて整列させ、その平均をとると、アモルファスノイズ部分はランダムなので均一となり、目的物質のコントラストのみが強調される。画像の整列(位置補正と面内の回転補正)は、通常それぞれの画像の相互相関を計算して位置決めされるが、バンドパスフィルタなど各種のフィルターを用いることで精度を上げることができる。しかしながら、ランダムに分散した試料の向きはバラバラで、色々な方向を向いていたり、さらには同じ粒子でも立体配座が異なるものが存在することがあるため、似たような画像をグループ分けして分類する必要がある。このような整列と分類の画像解析アルゴリズムは、多変量解析、k平均法などのデータ・クラスタリングが用いられる。
※この「画像の整列と分類」の解説は、「単粒子解析法」の解説の一部です。
「画像の整列と分類」を含む「単粒子解析法」の記事については、「単粒子解析法」の概要を参照ください。
- 画像の整列と分類のページへのリンク