包埋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:34 UTC 版)
組織の脱水・洗浄・包埋剤の浸透が終わったところで、包埋過程に移る。この過程の間、組織資料は、硬化する液性包埋剤(寒天、ゼラチン、蝋など)と共に鋳型に入れられる。パラフィン・ワックスの場合は冷やすことで、エポキシ樹脂の場合は熱することで硬化する。アクリル樹脂は、熱、紫外線、化学触媒などで重合する。組織試料入りの固化したブロックは、次に薄片化される。 ホルマリン固定・パラフィン包埋組織(英: Formalin-fixed paraffin-embedded tissues; FFPE tissues)は、室温で保存してもほとんど変化せず、固定後はDNAやRNAなどの核酸も劣化から守られるため、ホルマリン固定・パラフィン包埋組織は医学の歴史的学習(組織学実習など)において重要である。 包埋には、冷凍し固定していない組織を、水を元にした保存液に漬ける方法もある。冷凍前の組織を、液性包埋剤と共に鋳型に入れ、固化したブロックを作るために冷凍させる。この場合液性包埋剤には、グリコール水溶液、OCT (Optimal cutting temperature compound) 、TBS、クリオゲル(英: Cryogel)、樹脂などが用いられる。
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