生物群集における意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 02:28 UTC 版)
海面にかたまって漂う流れ藻には大洋性の魚類の稚魚や、ヨコエビやワレカラなどの端脚類といった小型の節足動物などが集まる。また、流れ藻はブリやアジなどの重要水産資源の稚仔魚が随伴したり、サンマなどのダツ目魚類が産卵基質にしたりと水産上、重要な役割を果たしている。これはある意味で、隠れるものの少ない海洋水面近くにおける一種のシェルターの役割を果たす。さらにハナオコゼなどそれに住み着いて生活するものもある。このように流れ藻は沿岸ー沖合、および沖合ー沖合での生物の移動に関係する媒体となっている。 幼魚が流れ藻につく理由には次のような理由が挙げられる。 食餌 流れ藻の周囲にはエサとなるプランクトンが多い。 産卵 流れ藻に卵を産み付ける魚種が多い。 シェルター 流れ藻に隠れて外敵から身を守る。 移動 泳ぐ力の弱い魚類が遠くに移動する手段。 しかし、近年の日本沿岸では開発や埋め立てなどが進み、流れ藻のもととなるガラモ場が減少している。また、世界的な海水温上昇の影響で藻場の構成種が変化し、原因不明の磯焼け現象が増加していることが報告されている。
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