生物多様性の回復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 04:33 UTC 版)
スキー、ゴルフ、温泉と自然を売り物にするリゾート施設のため、自然環境保全の一環として整備された。計画地の植生は、ブナクラス域に属し、敷地に残された自然林の林床や林縁には、雪国特有のユキツバキ、ヒメアオキ、エゾユズリハ、マンサクなどが季節を彩る。しかし、全体的に見れば開発前の土地利用は、コナラ、ミズナラなどの二次林や植林や、畑や水田などが入り組んだ里山景観を呈していた。当計画も、敷地内の放棄水田と大きな農業用溜池を、水生生物と野鳥の生息拠点として自然の湿原環境に復元するものとなった。 計画の要点として、計画に先だって植物相と哺乳類、鳥類、両生·爬虫類、昆虫類の動物調査を行なった。その結果として人と自然との多彩な関りを持つ植生が入り組むことにより、「多様な生態系」が維持されていることが明らかになった。計画はさらにその内容を豊かにするという基本方針で望んだ。その要点は①浅く変化のないヨシの占する水田地形を、水路や池沼を含む多様な水深を持つ湿地地形とし、抽水植物、浮葉植物、沈水植物が共存できるようにする②上流部に、流水系の生物のための水路をつくる③全体がヨシ原に戻ってしまわないように、刈り取りなどのコントロール管理を行う、の3点で、整備の結果、多くの水生生物の生息が追加確認されるようになっていった。
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