生物の系統推定への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 00:45 UTC 版)
最尤法は生物の分子系統推定(分子系統樹作成)にも応用される。系統推定における最尤法は、塩基やアミノ酸配列の置換に関する確率モデルを仮定した上で、想定される樹形ごとに手持ちのデータ(配列の多重アラインメント)が得られる尤度を求め、最も尤度の高い樹形を採用する方法である。 最大節約法や距離行列法と比較して正確性の高い樹形が得られるとされるが、使用する進化モデルを変更すると系統解析の結果が大きく変化する場合がある。また、系統樹の枝(解析の対象とする生物の系統)ごとの進化速度が異なる場合、枝長(形質状態の遷移回数)の見積もりを誤って不正確な系統樹を導く場合もある。さらに、最大節約法やベイズ法と比較して計算速度も遅い。こうした欠点はソフトウェアやアルゴリズムの改良により徐々に解消されつつある。 2021年時点では最も広く分子系統解析に使用されている系統推定法である。最尤法を用いる代表的な系統推定ソフトウェアにはPAUP*(英語版)やTreefinderおよびRAxMLがある。
※この「生物の系統推定への応用」の解説は、「最尤推定」の解説の一部です。
「生物の系統推定への応用」を含む「最尤推定」の記事については、「最尤推定」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から生物の系統推定への応用を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 生物の系統推定への応用のページへのリンク