生保の不払い問題
生命保険各社はこのほど金融庁から命じられていた保険金や給付金に関する不払い調査の結果を公表しました。生命保険38社による不払いは合計で約120万件、約930億円に達しました。このうち日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の大手4社だけで75万5650件、597億円と50%以上を占めました。
不払いとは締結した保険契約に基づいて、特定の病気にかかった時に受け取れるはずの保険金などを、契約者が保険会社に請求しなかったために支払われなかったことを指します。がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病で亡くなった場合、死亡保険金に上乗せして支払う「3大疾病特約」や入院した後に通院した場合に支払われる「通院特約」、さらに保険料の支払いが滞って失効した 契約を解約すると支払われる「失効返戻金」が件数、金額の大半を占めました。
契約者がどのような病気にかかったか、手術したか、通院しているのか、といった個人情報は生命保険会社が容易に知り得るものではないため、あくまでも契約者からの保険金支払い請求を待って、支払いの対応をしてきました。しかし、死亡保険金の請求があった場合、死因が3大疾病ではなかったか、また入院給付金の請求があった場合、手術はしていないか、退院後に通院していないかなど、支払いの必要性がないかどうかまで保険会社が調べなかったため、こうした不払いが多発する結果となりました。
このため、生保各社では事務システムを強化したり、診断書を電子化して人為的なミスの防止に努めるとともに、支払いの担当者を増やしたりして、不払いの再発を防止するよう徹底する姿勢を見せています。一方、契約者も自分が加入した保険の契約内容をしっかり理解、記憶しておき、万一の際に保険金の請求を忘れないように心がけることが必要でしょう。
(掲載日:2007/10/13)
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