現代のケースレス弾薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/06 07:41 UTC 版)
「ケースレス弾薬」の記事における「現代のケースレス弾薬」の解説
現代のケースレス弾薬は多量の固形発射薬で構成される。当初はニトロセルロースの塊を薬莢形状に成形しており、弾丸となるべく可燃性の雷管を収容する空洞を設け、これらは予定の場所に接着された。完成した実包には、粉末状の火薬を用いたブースター発射薬が内部に収容されており、発射薬の点火を補助し、弾丸に最初の推力を加えるとも推測される。 また多くのケースレス弾薬では全長を短くするためテレスコープ形状が採用されており、これはかさばる弾丸を薬莢の筒状部分の内部に納め、弾薬の全長を短縮している。全長の短縮された弾薬は、銃の作動に際して弾薬を装填しなおすための動作距離を切り詰めることができ、これはより高い発射速度や、長射程における標的への複数弾の命中可能性がもっと大きくなることを容認する。薬莢が無くなることで、ことに小口径小銃の分野で大幅に実包の重量を軽くできる。例としては、オーストリアの発明家フーバート・ウゼルがVoere VEC-91用に開発したケースレス弾薬は、同口径の通常の弾薬に比べて重量が約3分の1である。 薬莢を固体発射薬と入れ替えることが単純な作業に思える一方で、ただ単に弾薬の構成要素の同一化に努めるやり方よりも、金属薬莢は多くの機能を付与している。もし薬莢が代替されるのであれば、これらの多くの機能も代替されねばならない。ケースレス弾薬はそうした欠点が除かれたわけではなく、また現行のケースレス弾薬がもっと広範な成功を収めていない理由はこれらの欠点による。
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