現代のサンスクリット学者の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:05 UTC 版)
「法華経」の記事における「現代のサンスクリット学者の見解」の解説
近現代のサンスクリット学者は、嘱累品第二十二までが古い時代に成立した原型であり、薬王菩薩本事品第二十三からあとは後世に付け加えられたものと推定している。『法華経』は、嘱累品第二十二までは、男女平等を説くなど、原始仏教への原点回帰的な主張が多い。ところが薬王菩薩本事品第二十三からあとは、原始仏教が禁じたオカルト的な呪法(陀羅尼)や、極楽浄土に女性はいないとする浄土教系の男女差別思想、『法華経』そのものではなく観音菩薩の神通力にすがる観音信仰など、それまでの記述とは矛盾する異質の思想の混入が目立つ。これらの異質な部分は、大乗仏教が誕生したあとも太古さながらの呪術や迷信を信ずる一般大衆を信者にとりこむため、仏教側が妥協して後から付け加えたものと推定されている。
※この「現代のサンスクリット学者の見解」の解説は、「法華経」の解説の一部です。
「現代のサンスクリット学者の見解」を含む「法華経」の記事については、「法華経」の概要を参照ください。
- 現代のサンスクリット学者の見解のページへのリンク