特徴と原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 01:20 UTC 版)
一般的に、人間の脳は画像や音声等のパターン情報処理の方が、単純計算や記号等のシンボル処理よりも得意であると言われている。画像活用型本人認証は人間の画像記憶能力を活用して、文字列パスワードに使われるような無意味な文字列の代わりに画像を使用することにより、より安全な本人認証を目指す。 「覚えやすいものは破られやすく、破られ難いものは覚え難い」という文字パスワードの特性は、人間の記憶の特性からきている。認知心理学の知見では、意味のある画像は文字列に比べて記憶の優位性があり(画像優位性効果)、提示された画像群から記憶すべき画像を選ぶこと(記憶対象の再認)は、記憶している文字列を思い出すこと(記憶の再生)に比べて容易であり、しかも高齢者では再生よりも再認の方が、若年者と比較した場合の記憶成績の低下が小さいことが知られている。パスワードに画像を使うことは人間の記憶の特性にあった方法である。 対象となる画像には、ユーザにとって「具体的な意味のある画像」と「特に意味をなさない無意味画像」がある。「具体的な意味のある画像」の例としては、自分の経験した記憶につながる想い出の人物・風景の写真や自分の知っている知識と結び付けられるもの(既知の動物、植物、食物などの写真など)がある。これに対して「特に意味をなさない無意味画像」とは、抽象画、デザイン画、特定物のない風景等やユーザの知識とは結びつかないものの画像をいう。文字列に比べて記憶における優位性が発揮されるという「画像優位性効果」が認められるのは「具体的な意味のある画像」を選択する場合に限られる。
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