爆竹槍(爆槍)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 22:29 UTC 版)
詳細は「刺突爆雷」を参照 第二次世界大戦末期の日本では「対人用爆竹槍」(爆槍)という兵器が実在した。簡単に言うと竹槍の先に爆薬を詰めたものである。 陸軍技術研究所によって考案され、配備された自活兵器のひとつ。2メートルほど長さの竹筒の先端に爆薬と簡易信管を装着し、これで敵を突くと先端が爆発して敵を殺傷するという自爆兵器である。本来の刺突爆雷は棒の先に爆雷を付けた物であるが、物資の窮乏のため爆雷を用意できず、竹筒の先に直接爆薬と信管を詰めた。爆薬はダイナマイト、安全装置は厚紙などの有り合わせの物を使い、信管も釘や針金などで自作した撃針を雷管に付けただけの簡単な構造であった 。運用法は竹槍術に準ずる。 また実戦で使用されたかは不明であるが、爆槍を巨大な弓矢で飛ばす兵器や、爆槍の末尾に推進火薬を詰めてロケット弾にした「対空噴進爆槍」という対空兵器まで考案されていた 。ナチス・ドイツ製の携帯用対空ロケット砲フリーガーファウストに近い運用法であったと見られる。 なお、このように物資が窮乏する中で正規の兵器に対抗するためにありあわせの物やガラクタで作った兵器全般を自活兵器といい、大戦末期の日本軍では陸軍技術研究所をはじめ、各部隊単位でもいくつも試行錯誤していた。陸軍技術研究所は竹で作った爆槍の他にも、簡易投擲器である弩弓、和紙とコンニャク糊で作った大陸間兵器である風船爆弾など数々の兵器を開発している。なお、前述の通り「竹槍」自体は「自活兵器」ではなく、陸軍で正式に採用された「制式兵器」である。
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