燃焼器とジンバルシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/22 16:32 UTC 版)
「J-2ロケットエンジン」の記事における「燃焼器とジンバルシステム」の解説
J-2の燃焼器はエンジンの中心に位置して燃焼器本体、噴射器とドーム、点火器とジンバル軸受けから構成される。 燃焼室は厚みが0.30ミリメートル (0.012 in)のステンレス鋼の管を束ねてろう付けによって一体化されている。燃焼室は釣鐘状で高高度においてより効率的な運転のために膨張面積比が27.5:1となっており、燃料による再生冷却である。燃料は燃焼室の中間のマニホールドから入り、6,900 kPa (1,000 psi)以上の圧力で出る。燃焼室で点火され加速された高温のガスが噴出する事で推力が生じる。 噴射器にはターボポンプからの圧力がかかり、燃焼に最適な比率で混合する。614個の酸化剤と燃料噴射装置は同心円状に配置される。噴射器の先端は多孔で周囲が噴射器本体に溶接されたステンレスの金網を積層して形成された。噴射器は液体酸素をドームのマニホールドを通して燃焼室内の燃焼領域に向けて噴射する。 推力は高負荷(140,000 kPa)がかかり球面で構成される自在継ぎ手で構成されるジンバルを通して伝達される。これは軸受けの表面をテフロン/グラスファイバーで被覆する事によって潤滑材無しでも低摩擦であった。ジンバルには横方向の調節装置が備えられておりこれによって燃焼室の位置をずらす事によって推力の向きを変えて姿勢制御を行った。
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