無農薬の台頭と拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:36 UTC 版)
1960年代後半から徐々に消費者心理の不安が台頭し、再び農薬を使わない栽培法が消費者に注目されるようになり、多くの者によってさまざまな方法で試みられるようになった。しかし、無農薬を表示しながら実際には農薬を使った野菜を販売することや、消費者の不安や無知に付け込み無農薬・減農薬を旗印として高価格で売りつける悪徳商法も見られた。また、2001年に農林水産省が特別栽培農産物として「減農薬」などの表示基準を公表する以前は、かなり曖昧期間があり、「無農薬」「減農薬」と表示されながらも農薬が検出される事例が続出した。完全な無農薬での栽培は特定種類の作物(桃、葉物野菜や)や米などでは非常に難しい。例えば、キャベツへのアオムシやヨトウムシなどの害虫混入や食害痕跡を忌避する流通業者や消費者が購入回避を行う実情や、等級低下による価格低下を抑制したいという生産者側の事情もある。そのため、見栄えが最優先される市場環境が農薬の使用を後押ししている。 このような状況を踏まえて、農林水産省の特別栽培農産物に係る表示ガイドラインでは無農薬や減農薬の語を用いず、その農産物が生産の原則に基づき、かつ生産された地域の慣行水準(その地域で慣行的に行われている節減対象農薬・化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が5割以下、化学肥料の窒素成分量が5割以下で栽培された農産物を特別栽培農産物(特別栽培○○)として一括し、農薬の不使用や節減については、「農薬:栽培期間中不使用」や「節減対象農薬:○○地域比○割減」などといったより明確な表示を用いることと定めている。
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