漆刷毛製作
漆刷毛製作
<うるしばけせいさく>
区分
選定保存技術
保持者
泉清二
<いずみ せいじ>
(雅号 九世 泉清吉)
<いずみ せいきち>
(埼玉県)
解説
漆塗の技術には,刷毛むらがなく均一に塗れて塵一つ無いことが求められ,漆塗に用いられる漆刷毛も極めて入念な手作業で作られる。漆刷毛には,主として人間の毛髪が用いられる。漆が嫌う油気がなく,薬品による傷みもない,髪の毛を切ってから長い間乾燥させた日本女性の髪が最適であるといわれる。良く選別された毛髪を糊漆で固め,檜板で合わせて十分に締め付け,最後に鉋で整形して仕上げる。各地の塗り方の特色によって製法をかえるなど,漆刷毛製作技術の修得には長い経験を要する。
漆刷毛製作
主名称: | 漆刷毛製作 |
ふりがな: | うるしばけせいさく |
認定区分: | 個人 |
種別: | 工芸技術 |
選定年月日: | 1998.06.08(平成10.06.08) |
解除年月日: | |
解説文: | 伝統的な漆刷毛は、人間の毛髪や馬毛などを主な原料とし、入念な手作業で製作される。上塗用の刷毛には毛髪が用いられるが、漆が嫌う油気がなく、薬品による傷みもない、切ってから長い間乾燥させた日本女性の髪が最適であるといわれる。よく選別された毛髪を糊漆で固め、檜板で合わせて十分に締めつけ、鉋で整形して仕上げる。塗師【ぬし】(漆塗技術者)は、漆で固まった毛先を切り出し、叩きほぐしてから塗りに使用する。漆刷毛は、使い手の好みに合わせて毛の部分の厚みや硬さなどを調整して作られており、多様な注文に応じて良質な漆刷毛を製作する技術を修得するには、長い経験を要する。 漆刷毛は、漆芸の制作や漆工品修理の漆塗りの工程に用いられ、塗りの良否を左右する重要な用具であり、無形・有形の文化財の保存に欠くことができないものであるが、現在、その製作技術者は全国でも数名のみとなっている。 |
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