漆濾紙製作

文化財選集

漆濾紙（吉野紙）製作

名称
漆濾紙（吉野紙）製作
＜うるしこしがみ
（よしのがみ）せいさく＞

区分
選定保存技術

保持者
昆布尊男
＜こんぶ　たかお＞
（奈良県）

解説
吉野紙は，極めて薄い楮紙であるが引っ張りに強く，ふっくらとした紙の地合が濾過に適しているため，江戸時代以来，漆や油を濾す紙として重用されてきた。また，白い紙色と柔軟な紙肌から「吉野和良」「やわやわ」とも呼ばれ女性の懐中紙としても愛用された。製法は，特に原料処理に手間をかけて純粋な繊維のみにし，重力を加えて水分を圧搾する工程を行わず，漉き上げたぬれ紙を干し板に直接張って天日乾燥する(簀伏せ)など濾紙としての用途に適するように入念な作業が行われる。