流行状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 21:53 UTC 版)
「スワジランドにおけるHIV/AIDS」の記事における「流行状況」の解説
スワジランドは世界で最もHIV/AIDSの蔓延した国家の1つで、1986年に国内で初の患者が見つかって以来長らく流行し続けており、同国の経済発展の足枷となっている。妊婦管理(Antenatal care)を目的とした定期健診からは、妊婦におけるHIV有病率は一貫して上昇し続けていることが明らかとなっており、1992年に4%であった妊婦のHIV有病率は、2004年の資料では実に42.6%となっている。また、15–19歳の女性のHIV有病率は28%、25–29歳の女性では驚くべきことに56%にまで達していたことが知られている。 国際連合開発計画の人間開発指数によれば、HIV/AIDSの著しい蔓延により、スワジランドの平均余命は2000年時点で61歳であったのが、2009年には32歳にまで急落したことが報告されている。また、世界保健機関による2002年の報告では、スワジランドにおける死因の実に61%が、HIV/AIDSに起因することが示されている。1000人あたり30人が死亡するというこの記録的な粗死亡率はすなわち、一年間にスワジランド全国民の2%がHIVにより死亡していることを意味する。この国では、先進諸国において最も多くの死因を占める慢性疾患による死亡者はわずかな割合を占めるに過ぎない。例えば、アメリカにおいて全死因の55%を占める心臓病、脳梗塞、悪性腫瘍による死は、スワジランドにおいて全体の5%以下となっている。 このような蔓延状況について国際連合開発計画は、"仮に、スワジランドにおけるHIV/AIDSの蔓延状況がこのまま進行するのであれば、長期的には国家としてのスワジランドの存在に、深刻な脅威を与えるだろう"と記している。
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