逆格子空間
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逆格子空間(ぎゃくこうしくうかん、英: reciprocal space)は逆格子ベクトルによって構成される空間のこと。実空間の周期性が反映される。逆空間、運動量空間、波数空間、k空間と言うこともある。
実空間と逆格子空間の関係は数学的にはフーリエ変換そのものであり、格子たとえば結晶の周期性を見ることができる。また物理的には位置と運動量、あるいは位置と波数の関係になっている。
光やX線の散乱は固体の結晶面の間隔とブラッグの法則で決まるが、逆格子空間を使うと便利なことがある。たとえば逆格子点の位置に光の強め合うスポットができるなど。
また固体中の電子の動きを見る場合、重要なのは位置よりも運動量の二乗に比例するエネルギーであるため、固体物理学での逆格子空間の用途は広い。
結晶では原子の周期的配列による並進対称性のため、一電子の固有関数(ブロッホ関数)、結晶格子の基準振動、そのほかの集団運動のモードなどが全て、波数で指定される平面波
波数空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:57 UTC 版)
一般的に波数kと対応するエネルギー固有値(固有エネルギー)εkとの関係を分散関係と言う。波数とバンド構造との関係はバンド曲線、E-k曲線(E-k分散)、バンド分散などと呼ばれることもある。 バンド構造は通常、縦軸がエネルギー、横軸が第一ブリュアンゾーンの適当に選んだいくつかの直線上のk点となっている(系の持つ対称性に依存する)。各k点上に電子の取り得る固有状態(バンド)があり、これらが繋がって曲線をなしている(繋がり方も重要)。バンド構造を見ることにより、バンドギャップが空いているかどうか(つまり対応する系が金属かそうでないか)、バンドの分散が強いか弱いかによる電子状態の違い(分散が弱いと、そのバンドの電子はより束縛された状態となっている。強いと逆)、異なる系同士のバンド構造を比較することにより、系の安定性(どちらがより安定か)などの議論が可能である(注:バンド構造だけでは判断できない場合もある)。 半導体(や絶縁体)においては、k空間を無視して、バンドギャップの周辺だけに注目した、より簡単な描写が良く用いられる。バンドギャップの項を参照。
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