線型性と平面波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:52 UTC 版)
「シュレーディンガー方程式」の記事における「線型性と平面波」の解説
最も単純な波動関数は平面波である: Ψ ( r , t ) = A e i ( k ⋅ r − ω t ) . {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {r}},t)=Ae^{i({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {r}}-\omega t)}\,.} ここでA は平面波の振幅、k は波数ベクトル、ω は角振動数を表す。一般には、純粋な平面波だけで物理系を記述することはできないが、一般に重ね合わせの原理が成り立つため、すべての波は正弦の平面波の重ね合わせによって作られる。シュレーディンガー方程式が線型なら、平面波の線型結合も解として許される。従って、重ね合わせの原理が成り立つならば、シュレーディンガー方程式は線形微分方程式になる必要がある。 波数k が離散的な場合には、平面波の重ねあわせは単純に複数の波数をもつ平面波の和で表現される: Ψ ( r , t ) = ∑ n = 1 ∞ A n e i ( k n ⋅ r − ω n t ) . {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {r}},t)=\sum _{n=1}^{\infty }A_{n}e^{i({\boldsymbol {k}}_{n}\cdot {\boldsymbol {r}}-\omega _{n}t)}.\,\!} 波数k が連続的な場合には和ではなく積分で表され、波動関数 Ψ(r , t ) は波数空間の波動関数のフーリエ変換となる。 Ψ ( r , t ) = 1 ( 2 π ) 3 ∫ Φ ( k ) e i ( k ⋅ r − ω t ) d 3 k {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {r}},t)={\frac {1}{({\sqrt {2\pi }})^{3}}}\int \Phi ({\boldsymbol {k}})e^{i({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {r}}-\omega t)}d^{3}{\boldsymbol {k}}\,\!} ここでd 3k = dkx dky dkz は波数空間での微小体積であり、積分は波数空間の全体にわたって行われる。運動量波動関数 Φ(k ) が被積分関数として現れているが、これは、位置の波動関数と運動量の波動関数が互いのフーリエ変換であることから生じる。
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