線型方程式の解空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 00:46 UTC 版)
詳細は「線型方程式」、「線型微分方程式」、および「線型方程式系」を参照 斉次線型方程式系はベクトル空間と近しい関係にある。例えば方程式系 a + 3b + c = 0 4a + 2b + 2c = 0 の解の全体は、任意の a に対して a, b = a/2, c = −5a/2 の三つ組として与えられる。これらの三つ組の成分ごとの加算とスカラー倍はやはり同じ比を持つ三つの変数の組であるから、これも解となり、解の全体はベクトル空間を成す。行列を使えば上記の複数の線型方程式を簡略化して一つのベクトル方程式、つまり A x = 0 , A = [ 1 3 1 4 2 2 ] {\displaystyle A\mathbf {x} ={\boldsymbol {0}},\quad A={\begin{bmatrix}1&3&1\\4&2&2\end{bmatrix}}} にすることができる。ここで A は与えられた方程式の係数を含む行列、x はベクトル (a, b, c) であり、Ax は行列の積を、0 = (0, 0) は零ベクトルをそれぞれ意味する。同様の文脈で、斉次の線型微分方程式の解の全体もまたベクトル空間を成す。例えば、 f''(x) + 2f'(x) + f(x) = 0 を解けば、a, b を任意の定数として f(x) = a e−x + bx e−x が得られる。ただし ex は自然指数函数である。
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