水素の位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:33 UTC 版)
現在一般的な周期表では、水素は最も左上の場所にある。しかしこれは適切ではないのではという意見が過去IUPACの雑誌にて提唱された。現状では水素は、最外殻に一つの電子を持つ1族の位置にあるが、リチウム以下でこの属はアルカリ金属を指しており、金属ではない水素がここにある矛盾が指摘された。また、電子殻(この場合亜殻の1p軌道)が満たされる状態からひとつ電子が少ないと捉えると、フッ素以下の17族(ハロゲン)の仲間と考えることも可能であり、実際に水素はアルカリ金属的な性質とハロゲン的な性質を併せ持つ。IUPACは水素の位置を左上端に置くとする見解を示しているが、アメリカ化学会などはこれらを考慮し、水素を第1周期の中央部分に置いた周期表を掲載した書籍を発行している。また、周期表によっては、17族のフッ素の上に水素のための別枠を設け、ヘリウムの左隣に併記する方法をとった物も存在する。 また、ヘリウムも最外殻の電子数が2つであることを重視して2族のベリリウムの上に置くべきという主張もある。しかしヘリウムは貴ガスの性質を持つため、右端に置く現状が最適という考えが一般的である。
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