水の浸入に対する保護等級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 06:02 UTC 版)
「電気機械器具の外郭による保護等級」の記事における「水の浸入に対する保護等級」の解説
防水性能の指標は"IPX"で表される。本来"IP"の後に続く3文字目で防塵性能の指標を表すが、ここに"X"を入れて防塵性能での指標ではないことを表し、防水性能での指標としている。 水に対する耐性レベルについては、IPX0からIPX8までの9段階が存在し、IPX0は水に対する保護がない状態を表す。0-7まではそれぞれが規格によって試験方法が規定されている。IPX8は「IPX7より厳しい試験条件」という規定があるだけで試験条件は存在しないため、IPX8は実際にはメーカーの独自規格となる。 IPX0からIPX6までは、何らかの内部浸水が発生する可能性があるが必ず浸水するという訳でもなく、逆にIPX7やIPX8であっても規格としての防水性能を示すだけで、突発不良や劣化、操作不良など事故の発生を排除するものではない。 IPX7、IPX8は「一定の水中に沈めた状態」という潜水に対する防水性能を示すだけであり、IPX5、IPX6で実施される「噴流水」のような強い短時間の水圧に対する防水性能とは異なることが想定される。このため、潜水と噴流のそれぞれに対する防水性能を表すために"IPX5/IPX7"というように2つのIPコードが並べて表示されることが多い。 なお内容欄に記載された形名は旧規定に記載されていたものであり、現在は削除されている。 保護等級内容0級 特に保護がされていない 1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) 2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) 3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) 4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) 5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) 6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) 7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) 8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) 4級の「防まつ形」は本来なら「防沫形」と表記されるものだが、「沫」が常用漢字に含まれていないためこのような表記になっている。
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