水の消費と利用効率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 21:33 UTC 版)
植物が利用する水の中で、わずかな部分 (0.1% から 1%) だけしか植物の体内に残らない。ほとんどの水は、最終的には蒸散によって失われる。土壌表面からの蒸発も重要であり、蒸散量と土壌表面からの蒸発量の合計は蒸発散である。(蒸散 / 蒸発散)の比は植生の種類と気候によって変わり、熱帯雨林では大きく、ステップや砂漠では小さい。蒸発散量と植物中に保持される水の量の合計は消費利用量 (consumptive use) であり、蒸発散量とほぼ等しい。 農地における総水利用量は表面流出、排水と消費利用量の合計である。目の粗いマルチングは灌漑後の蒸発損失を減らすが、最終的には蒸発散量の合計はマルチングをしていない土壌に近くなり、植物の成長に直結する水の量は増える。水利用効率は蒸散率、すなわち植物による蒸散量を収穫後の植物の乾燥重量で割った値によって測定される。作物の蒸散率は 300 から 700 である。たとえば、アルファルファの蒸散率は 500 程度であるため、500 kg の蒸散によって乾燥重量 1 kg のアルファルファが生産される。
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