民間における部長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 02:05 UTC 版)
民間企業の部は、課その他の複数の下位組織を束ねた組織単位として置かれることが多く、取締役会の直下、そのひとつ下の層を構成する(複数分野の事業を行うような大企業では、部の上に事業部、本部などの組織を置いている場合もある)。従って、その長である部長は一般的に相当上位の管理職である。また、企業の中でも重要度の高い部門を統括する部の部長には取締役や執行役員が充てられて兼務することもある。 部下は、部長の権限を代行する部長代理や副部長が置かれ、課長等以下の下位組織(いわゆるライン)があるほか、ラインに所属せず(あるいは課等が存在せず)部本体に所属する部員等(いわゆるスタッフ)もいる。「部付」「部長付」も部本体の所属という意味だが、実際上は閑職、待機中といったニュアンスを伴うことが少なくない。部長のほかに、「部付の部長」を置いている場合もある。これは、課以下のラインを指揮する部長とは別に、部長に準じる職位で、部本体のスタッフの長と位置付けられる。肩書上「〇〇部 部長」としてラインである「〇〇部長」と区別したり、「部付部長」、「部長待遇」、「専任部長」、「専門部長」、「担当部長」などと称する場合もある。「◯◯課 担当部長」などとされ、課付であるにも関わらず課長の上役として事務を掌握する場合もある。 こうした部付部長・専門部長や部長代理・副部長等のポストは、元来は、部長級の役職でしか処理できない特定の重要事項にあたらせるために生じたものである。だが今日では、年功序列の上で部長現任者に次ぐ者にそれ相応の処遇を与える方法としてポストが用意されるのが常であり、本来的に必要なポストのみでは不足するため、これら準部長級ポストを便法として設けているケースがむしろ常態であると思われる。管理職としての一定の権限も部下のスタッフも持たない名ばかりの管理職である場合も少なくない。なお、これに類似する例は民間企業だけでなく、国家機関などでも見られる。例えば、税務署における国税庁発令(署長・副署長待遇)の特別国税調査官・徴収官などである。 なお、小規模な企業や公益法人などの中には、部長の肩書きが上述した例に当てはまらない場合も多い。ごく小規模な企業では、会社の構成員が社長、専務、常務、部長など大企業の上級幹部のような役職を名乗っていて、部下をひとりも持たない部長が社内の末端の職になっている極端な例もありうる。こうした例は部長に限らず、他の管理職名でもありうるケースである。
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