毒の発生源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 23:17 UTC 版)
外敵から身を守るため、あるいは獲物を確実に捕らえるために様々な生物が毒を持っていて、生体由来の毒は自然毒とも呼ばれる。生物自身では毒素を生産する機能はないものの捕食した獲物から毒素を貯蓄する場合もある。代表的なものとしては貝毒や有毒フグで、餌としたプランクトン由来の毒物質を生物濃縮により濃度を高め体内に蓄積している。例えば、フグ毒のテトロドトキシンは人間を含む他の動物には致命的な毒であるのに、フグには害を及ぼさない(これは自然条件下での蓄積量の場合であり、一定以上に高濃度のテトロドトキシンに晒すとフグも中毒死する)。また、毒蛇の毒(ヘビ毒)は消化液が変化し、専用の器官に蓄えられた物である。 産業用に作り出された化合物が意図せぬ有害な作用を持つ場合もあれば、化学兵器として用いるために強力な毒性をもった化合物を積極的に作り出す場合もある。また何らかの人間の活動で意図されず生産されてしまうことがある。公害における鉱毒や環境汚染などはその最たる例と言えよう。この他、地中深くにあって普段の環境では接することの少ない鉱物などは人間を含む自然環境にいる生き物にとって有毒な場合もしばしばである。これは環境に普遍的にあれば淘汰なり免疫なりで対処方法も発達したであろうが、従来環境では隔離されていた物質に触れることで害を受けたケースだといえる。
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