殺人防御率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 14:07 UTC 版)
本の雑誌編集部編『活字探偵団』(角川文庫)によれば、金田一耕助は事件に乗り出してから次の犠牲者が出るのを防ぐ「防御率」の一番低い探偵ということになっている。ただし、ここでの「防御率」の定義は、野球やクリケットなどでの防御率 (Earned Run Average) あるいはサッカーやホッケーなどでの防御率 (Goals Against Average) と同様に「防御率の数値が小さいほど良い=防御できている」というものであるため、「高低」に関する表現が混乱することがあるので注意が必要である。『活字探偵団』では「防御率の数値が大きい」すなわち「防御率が悪い」ことを「防御率が低い」と表現しているが、一般には単純に「数値が小さい」ことを「低い」と表現する場合もあるため、混乱の元になる。 『活字探偵団』での「防御率」の算出方法は、「主要10作品を選定し、探偵が事件に関与してから、解決するまでに起きた殺人件数を作品で割る」というものである。金田一の場合、『八つ墓村』『三つ首塔』『悪魔が来りて笛を吹く』などの大量殺人が含まれているために、防御率が悪くなっている。対象を全77作品で算出した結果は1.5であり、一概に防御率が悪いとは言えない。 また、上述したように「最後まで手の内を見せない」のが金田一の探偵方法であることや、トリックなどの解明後に犯人の自殺を誘導したり見逃したりするケースがあることも、金田一の防御率を悪くしている。 映画『金田一耕助の冒険』には、「もうあと4、5人は死にそう」「どこまで殺人が行われるか見守りたい」など、防御率の悪さに対する一つの解答とも皮肉とも取れるセリフがある。 エラリー・クイーン:0.7 モース警部:0.7 ファイロ・ヴァンス:1.2 神津恭介:2.0 十津川警部:3.3 金田一耕助:4.2
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