歴史問題への批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:15 UTC 版)
『逆説の日本史』を著した井沢元彦に対し、呉座は井沢の著作を「学問的に正しくない」「歴史ファンタジー」と批判し、『週刊ポスト』誌上で論争を繰り広げた。また、2018年には小説家の百田尚樹が著した『日本国紀』を呉座は歴史学者として批判し、同書の監修を務めた久野潤とも論争を繰り広げた。呉座は同書に誤りが多いと指摘し、歴史学界で否定された古田武彦による倭の五王が九州王朝という説が採用されていることを例示している。 2018年に出版した『陰謀の中世史』では、日本史におけるおよそ20項目の陰謀論を検証し、陰謀論のパターンを紹介した。2020年には歴史修正主義や新しい歴史教科書をつくる会を批判する流れに位置づけられる『教養としての歴史問題』(前川一郎 編著、東洋経済新報社)に倉橋耕平や辻田真佐憲とともに共著者として加わり、国民的歴史学運動や網野善彦について論じている。 呉座は講演で「自分にとって都合の良い情報を疑ってかかり、自分の手で通説を確認してみることが大事」と語り、『日本経済新聞』のインタビューでは「歴史に限らず「唯一絶対の正解があり、そこに必ずたどり着ける」と考える人は多いが、現在の複雑な社会で、簡単に結論の出る問題はない。」「目的意識が先に立つと、歴史を見る目がゆがむ。」「自説の補強や正当化のために歴史をゆがめられては困る。」と指摘している。
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