武田不動尊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 08:44 UTC 版)
武田信玄の菩提寺である恵林寺明王殿には武田不動尊と称される不動明王坐像及び二童子像が安置されている。 『甲陽軍鑑』『甲斐国志』巻七五に拠れば武田不動尊像は信玄が京から仏師康清を招聘し、信玄と対面して彫刻させ、信玄自らの頭髪を焼いて彩色させたものであるという。像内は内刳りされ、像底には布張り漆塗の底板があることから、未確認ながら、像内の空洞に像内納入品を納めている可能性も考えられている。 中尊の不動明王坐像は像高92.9センチメートル。胸前の条帛には金泥で武田家家紋である花菱文が描かれている。『軍鑑』『国志』では信玄の姿を写した像であるとする伝承が記されているが、武田不動尊は左手に索、右手に剣を持つ儀軌どおりの造形で、相貌も伝統的な不動明王像の表現であることが指摘されている。 仏師康清は本像以外に県内でいくつかの作品を残しており、大井俣窪八幡神社(山梨市)の旧蔵であると考えられている清水寺(山梨市)の勝軍地蔵像や、円光院(甲府市)の勝軍地蔵像・刀八毘沙門天像などが知られる。 恵林寺武田信玄公墓所 庫裏にある風林火山の屏風 歩くと音がする鶯張りと呼ばれる外敵の侵入を拒む廊下
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