正倉院の語義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 18:58 UTC 版)
奈良時代の官庁や大寺院には多数の倉が並んでいたことが記録から知られる。「正倉」とは、元来「正税を収める倉」の意で、律令時代に各地から上納された米穀や調布などを保管するため、大蔵省をはじめとする役所に設けられたものだった。また、大寺にはそれぞれの寺領から納められた品や、寺の什器宝物などを収蔵する正倉があり、正倉のある一画を塀で囲ったものを「正倉院」と称した。南都七大寺にはそれぞれに正倉院が存在したが、歳月の経過で廃絶して東大寺正倉院内の正倉一棟だけが残ったため、「正倉院」は東大寺に所在する正倉院宝庫を指す固有名詞と化した。 なお、現代においては、「正倉院」は貴重な文化財の宝庫である事を指す比喩表現としても使われることがあり、例えば沖ノ島は「海の正倉院」、高野山霊宝館は「山の正倉院」、春日大社は「平安の正倉院」、国宝の平城宮跡出土木簡は「地下の正倉院」と呼称されることがある。
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