櫛の火とは? わかりやすく解説

櫛の火

読み方:クシノヒ(kushinohi)

作者 古井由吉

初出 昭和48年

ジャンル 小説


櫛の火

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 02:14 UTC 版)

櫛の火』(くしのひ)は、古井由吉長編小説[1][2]1974年河出書房新社から刊行された。またそれを原作とし1975年神代辰巳が監督した日本映画[1][3]

恋人を病で失った青年が深い喪失感のうちにやがて巡り合った年上の女により、現実感を取り戻す。心理描写を通じて男と女と人間そのものを描く[2]

映画

櫛の火
監督 神代辰巳
脚本
原作 古井由吉
製作 田中収
出演者
音楽
撮影 姫田真佐久
製作会社 東京映画
配給 東宝
公開 1975年4月5日
上映時間 88分
製作国 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1975年神代辰巳監督によって東京映画で製作され、東宝で配給された[3][4][5]。製作時の文献では、主演はジャネット八田草刈正雄桃井かおりの3人と書かれている[4]。2024年7月17日に東宝から発売予定のDVDパッケージではジャネット八田と草刈正雄2人のみが大写しになっている[6]。4人の男と関係のある2人の女と、この2人の女の間にいるこらえ性のある男の話という難解な映画で、神代監督も「これまでの日本映画を半歩でも、一歩でも前進させる映画にしたい」と決意を述べた[4]ラブシーンが三分の一を占め、ジャネット八田や桃井かおりも裸になる[7]

キャスト

スタッフ

製作

主役の1人である広部役は、当初萩原健一が適役との声が上がっていたが[4]神代辰巳監督が草刈正雄に会い、「確かにショーケンがピッタリなのだが、草刈に会ってみて『いいじゃないか』と思った。今までの彼は表面的なものしか出していない。この作品で、もっと内面的なものを探し出してみたい」などと話し、草刈を主役の1人に抜擢した[4]

物語の発端となる東京原宿で1975年1月29日にロケハンがあり[4]、神代監督、姫田真佐久カメラマンと、珍しくジャネット、桃井、草刈の主役3人も帯同した[4]

同時上映

シナリオ』1975年5月号の【邦画案内4月の封切予定作品】では『雨のアムステルダム』との併映で、1975年4月5日封切、25日までの上映と書かれているが[2]、『雨のアムステルダム』は1975年3月21日に公開されている模様で、本作の併映作は不明。

作品の評価

興行成績

『映画年鑑』1976年版には「伸び悩んだ」と書かれている[8]

映像ソフト

  • 東宝からビデオも発売[5]した。2024年7月に東宝名作セレクションでDVDが発売[6]された。

脚注

  1. ^ a b 櫛の火』 - コトバンク
  2. ^ a b c 「SCENARIO TOWN 【邦画案内4月の封切予定作品】」『シナリオ』1975年5月号、日本シナリオ作家協会、79頁。 
  3. ^ a b 櫛の火”. 日本映画製作者連盟. 2024年5月18日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g “めくるめく愛欲図を… 『櫛の火』 ジャネット八田ら原宿で役作り 神代監督『今度は草刈君の新しい面を』”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社): p. 15. (1975年1月30日) 
  5. ^ a b 『ぴあシネマクラブ 日本映画編 2004-2005』ぴあ、2004年3月、239頁。ISBN 978-4835606170 
  6. ^ a b 櫛の火<東宝DVD名作セレクション>(TDV34161D)
  7. ^ ぴあエンタメ情報 櫛の火 ぴあ映画
  8. ^ 「映画製作界(邦画)」『映画年鑑 1976年版(映画産業団体連合会協賛)』1975年12月1日発行、時事映画通信社、99頁。 

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「櫛の火」の関連用語

櫛の火のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



櫛の火のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの櫛の火 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS