模造拳銃とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 模造拳銃の意味・解説 

模造拳銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/16 10:55 UTC 版)

模造拳銃(もぞうけんじゅう)とは、金属製の拳銃模造品のうち、真正拳銃と識別するための法定措置が施されていないものをいう。金属製玩具拳銃などによる威嚇目的の悪用を防止するため、1971年銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)改正によって規制対象に加えられたものであり、模造拳銃[注 1]に該当する拳銃模造品は所持が禁止されている。


注釈

  1. ^ 第22条の2の新設時から「模造けん銃」と表記されていたが、2010年平成22年)11月の内閣告示第2号で「拳」が常用漢字に追加されたため、2021年6月の銃刀法改正時に、見出しおよび第1項中の表記が「模造拳銃」に改められている。銃刀法施行規則 第102条の見出しおよび第2項、第3項中の「模造けん銃」表記は、2015年1月の施行規則改正時に「模造拳銃」に改められている。
  2. ^ 通称「46年規制」または「第一次モデルガン規制」。
  3. ^ 個人で行う場合、銃腔相当部分に溶かしたを流し込むなどして完全に閉塞し、グリップ相当部分を除く表面全体を市販のスプレー塗料などで白色または黄色に着色する。
  4. ^ 拳銃型エアソフトガン用の金属外装について、オートマチックの場合は「スライドのみ」または「フレームのみ」、リボルバーの場合は「シリンダーのみ」または「フレームのみ」であれば金属製に換装しても模造拳銃の該当要件(金属で作られている)は満たさないため、表面着色および銃腔閉塞は必要ない[3]
  5. ^ 形態から連想される真正拳銃の型式やメーカーが実在する必要はない[4]
  6. ^ 当初の条名は「第17条の2」であったが、施行規則の改正にともない2009年11月に「第103条」へ、2015年1月に「第102条」へ改められた。
  7. ^ ステンレス製やシルバーメッキの真正拳銃が存在するため、真正拳銃との識別を容易にするという規制の趣旨に沿わない。
  8. ^ 規制施行後に一時期販売されていたクロメート処理(通称:虹色メッキ)が施されたものについても同様である。
  9. ^ 玩具拳銃(金属製モデルガン)を使用した犯罪の検挙件数は1967年 61件(強盗20件、恐喝16件他)、1968年 97件、1969年 60件、1970年 73件[6]
  10. ^ 標識の大きさは直径が、小 7.5mm、中 9mm、大 10mm。これを銃身に相当する部分の先か、機関部体に相当する部分前方の両側面に付け、その部分だけ白く塗る。通称「王冠マーク」。模造拳銃規制の施行に伴い、廃止された。
  11. ^ 一部のメーカーは独自ルールとして1965年から住民票登録制販売を実施していた。
  12. ^ 規制反対運動は起きなかったが、メーカー主催の「黒別式」と称する(告別式の捩り)愛好家イベントが規制施行の4日前に開催された。
  13. ^ 規制の影響で減少した金属製モデルガンの出荷数は1973年に49万5000丁まで回復し、1977年には69万5000丁に達している[11]
  14. ^ 模造拳銃に関する規制については、モデルガン、ソフトエアーガンの別なく、金属で作られ、かつ拳銃に著しく類似するものすべてに適用される[13]

出典

  1. ^ 中島・69頁
  2. ^ 大塚ら・508頁
  3. ^ 平成15年3月28日 東西玩具銃部品製造協同組合発 組合員・販売店宛通知 「警察庁からの指導要請について ・ モデルガン、ソフトエアガン業界に対する指導について業界への取り組みと指針
  4. ^ a b 大塚ら・509頁
  5. ^ 中島・70頁
  6. ^ 第65回国会 衆議院地方行政委員会議録 第18号、12頁
  7. ^ 昭和44年9月30日 警察庁保安課長発 「高級モデルガン製造(販売)業者に対する行政指導について(通達)」
  8. ^ 第65回国会 参議院地方行政委員会会議録 第9号、3頁
  9. ^ 第65回国会 衆議院地方行政委員会議録 第19号、2頁
  10. ^ 第65回国会 参議院地方行政委員会会議録 第10号、5頁
  11. ^ a b 中島・66頁
  12. ^ 昭和49年3月14日 蔵関第294号(改正 平成6年3月31日 蔵関第331号) 「本邦に到着した模造けん銃の取扱いについて」
  13. ^ 平成15年3月17日 日本遊戯銃協同組合発 団体構成員・関係卸・小売業者宛通知 「経済産業省からのお知らせ ・ モデルガン、ソフトエアーガン業界に対する指導について(依頼)」


「模造拳銃」の続きの解説一覧


このページでは「ウィキペディア」から模造拳銃を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から模造拳銃を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から模造拳銃を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「模造拳銃」の関連用語

模造拳銃のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



模造拳銃のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの模造拳銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS