構造および製造方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 15:31 UTC 版)
主にエピタキシャル成長とイオン注入で形成されるSi-LSIにおけるバイポーラトランジスタと同じように、HBTも主にエピタキシャル成長を用いて製造することができる。材料としてSiGe/Si系、AlGaAs/GaAs系、GaInP/GaAs系、GaInAs/InP系、InGaN/GaN系などが知られている。GaInP/GaAs系の例では、半絶縁性GaAs基板上にMOCVD法やMBE法を用い、コレクタ層としてn-GaAs層 (n>1E18cm-3) 、サブコレクタ層としてn-GaAs (n - 1E16cm-3) 、ベース層としてp-GaAs層 (p>2E19cm-3) 、サブエミッタ層としてn-GaInP層 (n - 1E17cm-3) 、エミッタ層としてGaAs層 (n>1E18cm-3) 、コンタクト層としてn-GaInAs層 (>1E19cm-3) のような層を順番に形成する。エミッタ層のGaInP層はバンドギャップが1.9eVで、GaAs層は1.42eVのため、伝導帯のバンド不連続が - 0.3eV、価電子帯の不連続が0.2eV程度となる。ベース層は高濃度にドーピングするためC(炭素)が用いられるが成長技術はやや難しく、ベース層における少数キャリアのライフタイムを長くすることが重要である。 SiGe系の場合は、通常のSi-LSIプロセスに組み合わせて製造され、UHV-CVD法などが用いられる。SiGeはSiに格子整合しないため、歪エネルギーを緩和させるため同じⅣ族のCを添加することもある。 プロセスでは、メサ型構造が多く、コレクタ、ベース、エミッタの電極を形成し、パッシベーションや配線を施すことで、一つのトランジスタが完成する。HBTと同じようにヘテロ接合を用いるHEMTのプロセスとは異なり、微細なゲートを作製する必要がなく、トランジスタ特性が主にベース層の厚さとキャリア濃度の作りこみで決定されるところに大きな特徴がある。エピタキシャル成長では、厚さをnmオーダーで精密に作りこめるところに製造上の利点がある。しかし、高速動作には寄生容量を小さくする必要があるため、ある程度の微細化が要求される。
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