森昭雄の「ゲーム脳=自閉症説」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:23 UTC 版)
「日本自閉症協会」の記事における「森昭雄の「ゲーム脳=自閉症説」について」の解説
2005年に行なわれた、日本大学文理学部教授森昭雄のゲーム脳に関する講演にて、森は「テレビゲームが原因で自閉症になる」「最近、自閉症の発症率が100人に1人と増えているのは、ゲームのせい。先天的な自閉症の数は変わらないので、増えた分はゲーム脳による後天的自閉症だ」と発言したとされる伝聞が広まった。これは、この講演に参加した、自閉症の息子を持つ主婦が「ゲームで自閉症になると聞いた」という内容を含む詳細なレポートを自らのウェブサイトに残したことから大きく広まったものである。 これを受けて日本自閉症協会は、「自閉症にしっかり関わっている関係者なら、信憑性があると受け止める者はいない」と森を批判した。しかし、2006年3月9日の森の講演で、森は「そのような発言はしていない」と否定しており、それを受けて協会は森に対して謝罪している。(詳しくは外部リンクを参照) しかし、森は過去にも「自閉症の子どもが増えたのは、たしかに先天的な原因もあるだろうが、それだけでは説明しきれない。」と先天的ではない自閉症が存在するとし、テレビやITに関連づけた説を自著に記している。 そのうえ、2004年に鹿児島で行なわれた講演では以下のような発言を行っている。 赤ちゃんの頃から朝から晩までテレビを垂れ流して育てると、正常に育たず、自閉症的な子どもとして育つ。 岡山では100人に1人が自閉症であり、非常に、本当におかしい子どもが増えている。(公然の前で自閉症の子どもたちを「本当におかしい子ども」と表現) 上記の発言を受け、この後の質疑応答で聴衆の男性が質問の前置きとして「昔、テレビが原因で自閉症になると言われていたが、聞かなくなった。しかし、今日の話でやはり自閉症に関係があったのかと思った。」と述べたが、森はこの誤った認識について訂正を一切行わず、以下の発言を行った。 (岡山においての)自閉症は、先天的なものは非常に少ない。テレビやビデオを見ている子どもは自閉症の状態になる傾向がある。 自閉症でよく知られてるのは高機能自閉症(1000人に9~10人程度)で最も多く診断される。知的遅れのあるカナー症候群(1000人に2~3人程度)は重いタイプと注目されている。 この鹿児島の講演のすべての内容は、個人のウェブサイトに音声データとして残されている。詳しくは森昭雄の項目の『「後天的自閉症」についての発言』の節を参照されたい。
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