「後天的自閉症」についての発言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 04:20 UTC 版)
「森昭雄」の記事における「「後天的自閉症」についての発言」の解説
医学上の通説では、自閉症は先天性の脳機能障害によるものであり、外的要因により後天的に起こる自閉症は存在しないとされている。もし後天的なものだとすると、自閉症の子を持つ親は、自責の念に駆られたり、周囲から「親が原因だ」などと言われて責められたりするなど、非常に辛い思いをすることとなる。 2005年、ある主婦のウェブサイトのブログに、地元の小学校で行われた森の講演に参加したときのレポートが記された。この日記には、講演の中で森が自閉症について言及し、「最近、自閉症の発症率が100人に1人 = 1%と増えているのは、ゲーム脳のせい。先天的な自閉症の数は変わらないので、増えた分はゲーム脳による後天的自閉症だ」という発言を行っていたと書かれている。この日記は、内容を問題であると受け止めた複数の個人ブログやウェブサイトなどで取り上げられ、インターネット上のコミュニティを中心に知られることとなり、森は日本自閉症協会から抗議を受けた。 自閉症協会の抗議文に対して、森本人は「ゲームで自閉症になるとは言っていない」と否定したため、協会はのちに抗議を撤回し、ウェブサイトに謝罪文を掲載している。個別の問い合わせに対しては、「ゲームで自閉症になるとは言っていないが、川崎医科大学(岡山県)小児科教授である片岡直樹がテレビにより自閉症類似の症状となるという研究を行っているのを紹介したことがある。自閉症の話を扱う際は、慎重に発言している」と返答していた。 また、前年の著書『ゲーム脳の恐怖』に続く自著『ITに殺される子どもたち-蔓延するゲーム脳』(2004年刊)では、「近年増えている多動児や自閉症の児童も、DNA の問題だけが原因ではないようです。たしかに先天的な原因もあるでしょうが、それだけでは説明しきれない急増ぶりなのです」とし、先天的ではない自閉症が存在することを示す記述がある。
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