森のエルフとスランドゥイルの館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 00:28 UTC 版)
「闇の森」の記事における「森のエルフとスランドゥイルの館」の解説
この森の東側には、闇の森の王であるスランドゥイルが大きな岩屋の館を構え、そこには多数の森のエルフが住んでいる。地下には快適に整備された洞窟が張り巡らされており、森のエルフたちは王に仕えながら狩りをして過ごしている。また森の外にある人間の町とは、道と川を通じて交易を行っている。またスランドゥイルの弁に拠れば、闇の森を抜ける道を作ったのも灰色エルフたちである。 館の前には流れの速い小さな川が流れ、その一部は館の下にまで通じている。この川は人間の町にまで通じており、前述のドワーフたちの脱出に使われた。基本的に生活の場である館だが、非常の際には外敵を阻む砦ともなっており、トールキン自筆の挿絵に拠れば、館の前の橋を落とせば外部からの侵入を阻むことも可能なつくりとなっている模様である。また入り口には重い扉が取り付けられており、魔法で開閉することから、外部から招かれずにはいることも、内部から許しを得ずに出ることもできない。川に樽を流す落とし扉を除けば、基本的にこの魔法の扉が外部との唯一の連絡口である。 森のエルフたちはかつてエルフ王とドワーフが宝飾品の加工と支払いで揉めて戦争に至った経緯からドワーフに良い感情を抱いておらず、ドワーフを宝石泥棒とみなしていた。そのためトーリンは捕らえられ、その他のドワーフたちも森をさ迷うより虜囚の辱めを受けることを選んだ。森のエルフたちは空腹の余り動けなくなった一行を、指輪の力で姿を消したビルボを除き一網打尽にして館の地下にある牢に閉じ込めてしまった。善良なエルフの一族は捕虜にも厚遇を与えたため、森で疲労困憊していたドワーフたちは十分な食料と休息を得て、体力を回復することができた。 ドワーフたちが捕らえられていた間、ビルボは指輪の力を使ってしばしば姿を消したままこの館の方々を探索したり、食料倉庫から食べ物を失敬して過ごした。
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